新潟県の小学校・中学校の教職員組合

2013年4月15日月曜日

新潟市校長の異動強要発覚!C異動68キロを飛ばす不当人事!―市教委本人聴取もせず、問題なしと回答―

前Y中学校長(現K中)、人事で異動強要!

C異動68キロを飛ばす不当人事!
新潟市教委、本人聴取もせず 「問題なし」と回答

この春の人事異動でとんでもないパワーハラスメント人事がありました。本来、人事異動は校長が職員の意向を丁寧にヒアリングして進めるべきなのに、中央区の前Y中学校長のN校長(現K中)は、本人の意向をまったく無視して、異動希望のないS教諭(男性)を新潟市内の自宅から68キロ離れた下越地区へ飛ばしました。

不当人事異動の経過

S先生は在勤4年めで、異動希望はありませんでした。
昨年10月30日、来年度も残るつもりで、異動調書の異動希望欄を書かずに校長に提出しようとしたところ、過員でもないのに、「教科のバランスが悪いので異動してもらいたい」と言われました。「これは異動調査票だからこのままで出せないのですか?」と確認しても、「あなたはここ(異動の有無の"有り")に〇をつけるように」と強い口調で言われました。異動の場合は裏面も書かなければならないので記入するように言われました。
命令されたように感じたS先生は、翌日31日に裏面を書きながらも表の異動希望欄は空欄のまま、「私は5年以上ではないので記入する必要はないのでは?」と再度確認したところ、「あなたは昨年から異動対象者でした」と言われました。この時「俺はこの学校にはいらないんだ・・」と感じたS先生は、その場で異動"有"に〇をつけました。
校長は「50歳までにC地域に異動しなければならないから、Cと書いて、第2希望は書かなくていいです」と言い、S先生は言われるがままに記入しました。すべて記入後、おもむろに校長は「異動に際して希望はありますか?」と聞いてきました。いまさらもう残るつもりもなかったので「○○(教科名)で異動できればどこでもいいです」と答えました。校長は「他の学校で○○(教科名)の力を発揮してください」と言いました。
S先生は市内異動で自宅から35キロくらいを考えていたところ、2月中旬校長に呼ばれ「市内異動は難しい」と言われました。再び2月下旬に呼ばれ"方面"を言われましたが、これまでの校長とのやり取りから抵抗できる状態ではありませんでした。そして3月15日に自宅から68キロもある下越地区の学校を告げられました。下道で2時間余りかかる距離であり、到底通える距離ではありません。

本人の意向を無視した校長の圧力はパワーハラスメント

このS教諭の相談を受け、3月18日、組合は市教委に申し入れをしました。当初、市教委は「校長・本人・組合で話し合って解決してください」と、まったく責任逃れの無神経な対応を提示してきました。パワーハラスメントを受けた当事者を相手と話し合わせるという発想は本人の心情を無視するものです。組合は以下の理由からこの人事はパワーハラスメント人事であり、人事権のある市教委として本人の人事を県から新潟市へ差し戻し市内のC異動とすること、または現任校へ残留させることを強く要求しました。

組合からの申入れのポイント

  1. 丁寧なヒアリングは一切行われず、本来異動希望のない本人の意向を無視して高圧的な態度で異動希望調書を書かせた。
  2. 「あなたは昨年も異動対象者だった」「他の学校で力を発揮してください」という校長の言葉は、「この学校にはあなたは必要ない」ということ。本人の人権無視のパワーハラスメントの常套句。

食い違うヒアリングの日時や内容

市教委、N校長からの聞き取りのウソを見抜けず「問題なし」と断定

翌日3月19日、組合は市教委交渉を行いました。市教委は前日にN校長を呼び事実経過を聞き取っていました。その内容は、以下のとおりです。

校長の証言

  • 異動調書提出締切日は10月26日だった。校長は3日前の10月23日に本人を呼んで、「教科のバランスが悪いので、S先生には○○(教科名)の先生として他の学校で力を発揮してほしいと伝えたら、本人は「少し考えてみます」と答えた。「次はCになる可能性もあるので即答せず家族と相談して考えてください」と言うと、本人はその場で「出ます」と答えた。校長は「考えてから返事をするように」と伝えた。
  • 25日、異動調書を持って来たら空欄だった。「異動したくなかったらつけなくてよいが、異動するのなら〇をつけてほしい」と言った。本人は「異動はするが〇はつけられない。」と述べた。この後、「〇をつけるように」「〇はつけられない」と何回かやり取りし、最終的に〇をつけ校長は受理した。
市教委は、「その後も経過を校長は伝えており、合計5回の丁寧なやり取りを本人と行ったと言いました。校長のヒアリングについては問題ないので、人事異動には問題ないという結論です」と、述べました。しかし、組合はこの校長証言には本人の証言と重大な食い違いがあることを指摘しました。(下線部のすべて)

S先生の手帳に残された克明な記録、校長のウソは明白

S先生はとても几帳面な先生で、その日の出来事を克明に手帳に記録されていました。確かに調査票の提出は26日締め切りでしたが、27日に文化祭があり、S先生は文化祭準備に追われ提出締め切りを過ぎて10月30日に初めて校長に調書を持っていきました。従って文化祭前の面談は実際には行っておらず、上記23日の校長証言は全くなかったことになります。
また同じく、25日の面談もありません。校長が本人に対し、いかに「丁寧なヒアリングを行ったか」を取り繕うためのアリバイ証言です。
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