新潟県の小学校・中学校の教職員組合

2016年1月11日月曜日

盲学校寄宿舎指導員昇任差別事件、人事委員会機能せず、新潟地裁へ提訴

新潟県人事委員会は、新潟盲学校・寄宿舎指導員の平成27年度不当人事異動に関する不服申し立てに対し、昨年、裁決通知を発令しました。その内容は、「異動していないのだから、処分をしていない」「処分をしていないから、審査をしない」という判定でした。 主任異動をさせなかったことに対して不服申し立てしたにもかかわらず、異動(処分)の事実がないことをもって審査しないというのは、あまりに乱暴な裁決ではないでしょうか。 3年前から異動の希望を校長に伝えてきた寄宿舎指導員は、昨年、主任選考試験に合格して主任異動の要件を満たし、校長との約束を信じて異動できるものと期待していました。K元校長はそんな彼の希望を無視し、異動にかかわる十分な説明や必要な手続きを怠り、異動させなかったのです。 したがってその結果、寄宿舎指導員は、主任異動の要件を満たしながらも主任寄宿舎指導員への昇任も叶いませんでした。彼は昇任されなかったことで、生涯年収では150万円程の不利益を被ったのです。これを「処分ではない」とする人事委員会の裁決には納得がいきません。 本来、公正、中立であるはずの人事委員会の機能が果たされていないのです。

寄宿舎指導員の人事異動方針は存在しない!

寄宿舎指導員の人事異動に関して、寄宿舎指導員は、採用時に「教員に準ずる」と口頭で説明されました。しかし、この度の人事異動があまりにも不平等かつ不透明であったので、県教育委員会に「寄宿舎指導員人事異動方針」の情報公開を行いました。すると驚いたことに「文書では存在しない」という回答でした。明文化された人事異動方針がなかったのです。「県が人事を行う」と言っていますが、これでは派閥校長間の人事を否定できません。

パワーハラスメントの窓口が機能しない!

  新潟県教育委員会義務教育課・総務課は、パワーハラスメントの窓口であり、各種相談援助機関のはずです。しかし、今回の寄宿舎指導員の人事異動にかかわるK元校長の対応で明らかに人権を侵害する不平等な行為があったにもかかわらず、窓口として機能することはありませんでした。寄宿舎指導員の訴えに対して「不平等で人権を侵害する行為があったとしても、人事異動は管理運営事項なので取扱いはできません、処分の説明も致しません」と回答したのです。 相談者の立場で考え、解決していく姿勢がまるでなく、パワーハラスメントの窓口としての機能はないに等しいと言わざるを得ません。

県とK元校長を提訴!

人事委員会が不服申し立てを却下したこと、県教育委員会義務教育課・総務課のパワーハラスメントの窓口が機能しなかったことを受け、寄宿舎指導員はK元校長と新潟県に対して提訴しました。 訴えた内容は以下の通りです。 K元校長に対して
  • 県に人事権があるにもかかわらず、3年前に寄宿舎指導員の異動を引き留め、異動を約束したこの春の主任異動もさせなかったこと
県教育委員会に対して
  • 本来『教員に準じた人事異動方針』に則って行わなければならない異動(3年前及びこの春の異動)を行わなかったこと
  • 寄宿舎主任指導員昇任試験に合格しているにもかかわらず、本人に何の経過説明もないまま、異動も昇任もさせなかったこと
また、寄宿舎指導員は、この裁判をとおして、「寄宿舎主任指導員の昇任資格を満たしていながらも、家庭事情などで遠方への通勤が困難であり異動ができない」「遠方への通勤は健康破壊を生み、地域に根差した専門性を生かした教育の実践ができない」という現場の声を届け、「資格要件を満たしている全ての指導員が平等に主任指導員に昇任されること」「主任指導員への資格要件から異動を伴うを外し、居なり昇任を実現すること」(主任指導員の昇任要件で異動を伴うのは、全国で新潟県だけ)を実現する力になればと語っています。

これからもご理解とご支援をよろしくお願いいたします

これまでも多くの方に実現する会に入会いただきました。また、温かい励ましやカンパを寄せていただき、心から感謝しております。 提訴に伴い、運動の輪をさらに広げていきたいと考えております。そのためには、これまで以上に皆様のご支援が必要です。周りの方に入会を呼びかけていただけるとありがたいです。 よろしくお願いいたします。

居なり昇格を実現する会 代表 浦 登

*募金は郵便口座「教職員基金」00530-2-75679まで

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